こんにちは。
もう10か月前のことになりますが、超音波洗浄機を導入して、悪しき評判絶えないTOMIX製M-9モーターを復活させてみようと試みました(その時の記事は→コチラ)。
あれから時間が経って、ご紹介した被験者(車?)やご紹介していない被験者がどうなったか、その後の経過をご紹介したいと思います。あくまで、その後普段使いの結果としてどのような状態になっているかをご紹介するもので、走行時間などの条件を厳密に整えたりしているわけではありませんので、その点はご留意ください。
経過観察を行う被験者は全部で4両になります。
(1)227系8両編成の動力車
<車両の状態>
以前の記事でもご紹介した車両のひとつです。室内灯付きの8両編成を牽かせていたところ、たまにショート気味の症状を発症、具体的には走行中いきなりショートして突発的・断続的に室内灯の照度低下と速度低下が起こりました。
<経過>
我が家での稼働率が比較的高い車両で、以前のご紹介後に負荷が比較的低い3両編成での運用に変更。しばらくは問題なく走行しましたが、ここ最近またショート気味の症状を発症し、再度超音波洗浄機にかけてからは問題なく走っています。
(2)113系15両編成の動力車の1両
<車両の状態>
こちらも以前ご紹介した編成。東海道線東京口をイメージした15両での運用で、基本編成と付属編成に動力車を1両ずつ配置した編成です。基本編成の動力車がショート症状(室内灯照度低下と速度低下)を発症。
<経過>
15両運用に復帰させるが、程なくしてまた走行中突発的なショート症状を発症する。その後も何度か超音波洗浄機にかけるが、同様の症状が出る、の繰り返し。
(3)キハ47の2両編成の動力車
<車両の状態>
初めてご紹介しますが、ショート症状(室内灯照度低下と速度低下)を発症。
<経過>
超音波洗浄機にかけて再度走行させるが、数か月後再び症状が現れた。
(4)DD51
<車両の状態>
7両の客車を牽かせる用途で使用。ショート症状はないが、集電機構を十分洗浄しても走行中の速度が安定しないことがまちまちあった。
<経過>
超音波洗浄機にかけたところ、速度の安定性が向上。現在にいたるまで特に異常なし。
【ここまでの考察】
症例と改善具合から、このように考えています。
・ショート症状に対して、改善はするがあくまで「延命」的処置であり、再発はあり得る。
・ショート症状に対して、メカニズムは不明だが十分な改善効果を得られない場合がある。
・速度の不安定性に対して、効果を得られる見込みがある。
※あくまで個人的見解です。
【ピンとこない人のために】M-9モーターのショート症状の原理を簡単に
モーターの内部には、電気が流れてよいところ(導電部)と流れてはいけないところ(絶縁部)があります。また、モーターは回転により摩擦が生じる部分が存在します。M-9モーターの問題点は、摩擦が生じる部分に導電性の素材であるカーボンを使っています(これはモーターの構造としては普通)が、摩擦によりこのカーボンが擦り減った際に、構造上徐々に絶縁部に入り込んで蓄積することです。この結果、絶縁部が導電性を持ってショートしてしまいます。
いわゆるショートとは、本来絶縁され電気が流れないはずのところに電気が流れてバイパスされることで、本来電気が流れるところにかかる電流量が不安定になります。過大な電流が流れて過熱や発火のおそれがあり、これを防ぐためにNゲージの制御器には保護回路があります。
突然室内灯の照度低下と速度低下が起こる、速度が不安定になるという症状は、一時的なショートが起こたために起こっています。更にひどくなると恒常的なショートとなり、制御器の保護回路が起動することになります。
(ここまで書いてなんですが電気は本業じゃないので、詳しい方間違っていたらコメントください…)
超音波洗浄機での洗浄は、この絶縁されるべき箇所に蓄積したカーボンを除去するためことを企図しています。
【今後】
今回ご紹介した被験者の症状である、「室内灯照度低下と速度低下」、「速度の不安定性」はいずれもショートにより起こり得る症状だと思われますが、一定の改善はするものの、現在の知見の限りでは「延命」といったほうがよいのかもしれません。今後も検証を重ね、まとまった段階でまた記事を作成したいと思います。
また、モーターに詳しいと思われる方が「慣らし運転」なるものがもしかしたら効くかもしれない?とご紹介されていましたので、一度実施してみたいと思います。また経過をご紹介できればと思います。
今回ご紹介のことをご自身でされる場合には、くれぐれも自己責任で行っていただきますようお願いします。
▼各種ブログランキングに参加しています!ワンクリックいただけると励みになります▼
にほんブログ村
コメント